弁護士 磯田 裕之
略 歴 |
東京都八王子市出身 私立慶應義塾高校卒 慶應義塾大学法学部卒 |
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趣 味 | 本屋大賞ノミネート作品を読むこと ホラー映画の鑑賞 子どもたちと公園遊び |
所 属 | 神奈川県弁護士会 法教育委員会 |
事件終了から始まる人生を大切に
弁護士は、依頼者の味方です。では、依頼が終わった後はどうでしょうか?もう味方ではなくなるのでしょうか?そんなことはありません。私は、依頼が終了した後の依頼者の人生がよりよいものになるような仕事を心がけています。
たとえば債務整理のご依頼を受けた場合、借金を整理するだけでなく、なぜ借金が膨らんでしまったか、収入に合った生活をするにはどうしたらよいか、本人と話し合います。刑事事件も同様です。
万引き事件を受けた場合には、なぜ万引きをしたのか、その原因を取り除かなければ、事件終了したまさにその帰り道、再び万引きをしてしまうかもしれません。それを防ぐため、今度どうすべきか本人と話し合ったり、経済的な支援をしてくれる団体を紹介したりします。このような考え方は、教師一家に育った影響があるのかもしれません。私の家庭は、祖父、父、母、姉が教師をしており、皆、教育者として子供たちがよりよい方向へ向かうよう努力していましたから。
一人ひとりの仕事や生活に合わせた解決を目指す
私が担当したTさんの事例をご紹介します。
Tさんの仕事は、基本給に加えて出来高制の報酬体系だったため、一般的な会社員とは異なる特殊なケースでした。
Tさんが事務所に来られたとき、すでに別の弁護士に相談されていましたが、納得のいく対応が得られなかったそうです。
その弁護士からは「特別事情を考慮することはできない(事故直近3か月の平均収入で休業損害を計算するのが基本)」という説明があったとのことでした。
しかし、Tさんの仕事は季節によって大きく売上が変わります。事故が春に起きたため、寒い2月から4月の売上データだけを使うと、Tさんの本来の収入を正しく反映できません。
さらに、Tさんの休業期間がちょうど夏場の繁忙期と重なっていたことも大きな問題でした。私は過去1年間のデータを分析し、「前年の同じ繁忙期の実績こそがTさんの本来得られるはずだった収入を正確に示している」と保険会社に粘り強く説明。この主張が認められ、前年の繁忙期における実績報酬を基準とした適正な休業補償を獲得することができました。
さらに難しかったのは、Tさんが9月に職場復帰された後の問題です。重い商品を運ぶ作業ができなくなり、事務仕事に配置転換されたTさん。
「仕事に戻ったから補償は終わり」という単純な考え方では、収入が大幅に減ってしまうTさんを守れません。
私は「職場復帰しても、以前と同じように仕事ができないことによる収入減少も補償されるべき」と主張し、これも認めてもらうことができました。
このように、表面的な「復職」だけでなく、実際の就労状況や収入の実態をしっかり見極めることで、Tさんに適正な補償を受けていただくことができました。
交通事故の補償は、一人ひとりの仕事や生活に合わせて考える必要があります。私は、そんな依頼者の立場に立った解決を常に心がけています。
物腰はソフト、でも正しいと思うことは譲らない
私は、八王子の野山を駆け回って大きくなり、おおらかに自由に育ちました。穏やかな性格で、話し方がソフトで弁護士らしくないと言われることが多いですが、相手との交渉では、こちらが正しいと思うことは絶対に譲りませんのでご安心ください。
事務職員からみた磯田弁護士
正義感と心配りの細やかさは人一倍です。事務職員から面倒なお願いをしても、いつも快く引き受けてくれますし、分からないことがあれば丁寧に教えてくれます。親しみやすくも、とても頼りになる弁護士です。