Aさん(男性・10代)
事故の経緯
当時中学生だったAさんは、自転車に乗って交差点の横断歩道を走行していたところ、後方から交差点を右折してきた加害車両が衝突。ボンネットに依頼者を跳ね上げた上、加害者は衝突に驚きブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏みこんで加害車両を加速させ、Aさんをを路上に転倒させて、加害車両車底部に巻き込んだ事故。
結果、Aさんは視力障害、外貌醜状 等の傷害を負い、後遺障害等級併合8級の認定を受けました。
保険会社の提示額は900 万円弱でした。しかし、Aさんは、事故のせいで視力が大幅に下がり、一部の体育の授業(バドミントンや野球)ができない等、学校生活での支障も生じている状況であったこと、右目付近に5cm以上の大きな線条痕が残り、今後の交友関係や異性との交際、就職等に悪影響が出かねないという事情に鑑みれば、保険会社が提示した金額はあまりにも低いものでした。
AさんやAさんのご両親は、将来に不安を感じており、時間がかかってもよいから適正な損害賠償金を受け取りたいというお考えでした。
弁護士の対応
認定された後遺障害等級に基づき、損害賠償金額を計算して保険会社に請求をしましたが、保険会社は、「醜状痕が就職に影響を与えるという根拠はない。」などと反論し、和解することが困難であったため、訴訟提起をすることとなりました。
裁判所は、「被害者の年齢を考えれば今後幅広い職業に就く可能性がある中で、醜状痕は一定の制約になりうるものである。」と認定し、結果として、当初の提示額900万円から1,500 万増額した、2,400万円の賠償金を支払うべきであるという判断を下しました。
弁護士からのコメント
後遺症が残った場合、損害賠償金の金額が大きくなる傾向があるため、保険会社は「後遺症による影響は軽微である。」という主張を必ずと言ってよいほどしてきます。
安易に保険会社の提案に応じてしまい、後悔をする方もたくさんいらしゃいますので、保険会社から賠償金の提示があったも、まずは弁護士に相談をして、提案に応じるかどうか判断されることをおすすめします。